P6のOLIONをMSXで動かすチャレンジ

■動作環境

64KB以上のMSXで動作します。

■実行方法

以下のファイルをダウンロード・解凍してください。
Download MakeOLIONMSX.zip

【必要なもの】
・MSX本体、データレコーダ、P6版OLIONのテープ

DIRECT/LOADERフォルダに、MSX用のロードプログラムがあります。

1. PCの音声出力をMSXのデータレコーダー端子に繋いでください。
2. p6loader_olion_1200.wav または p6loader_olion_2400.wav をPCで再生し、MSXで bload"cas:",r と入力してください。
   
3. 無事にプログラムのロードが終わると、OLIONのテープをセットするように表示されるので、データレコーダーに PC-6001用の OLION(SCREEN4) のカセットテープ をセットして、RETURNをおしてください。
4. ロードが終わると自動的にゲームがスタートします。

■操作方法

基本はP6版と同じです。
• [カーソルキー]/[ジョイスティック]…自機の操作
• [SPACE]/[トリガー1]…光子魚雷発射
• [SHIFT]…加速・減速（交互に繰り返す）
• [T]…残り弾数の表示
• [H]…加速度を半分にする
• [S]…キーボード操作・ジョイスティック操作切り替え
• [X]…上下左右の操作を反転する
• [P]…練習モードにする（SCENE1は敵が弾を撃たなくなる）

また、以下の操作を追加しました。
• [R]…高速モード切り替え（turboRのみ）
• [トリガー2]…ジョイスティックモードでの加速・減速（P6版はジョイスティック操作時も[SHIFT]）
• オープニングBGM中に[RETURN]…BGMのキャンセル（P6版は演奏終了まで待たされる）

■カスタマイズ

遊ぶたびにテープから直接ロードするのは時間もかかりますし、そもそもturboRではカセットインターフェースがありません。
また、「すでにイメージ化してあるので、元のテープはなるべく再生したくない」という方も多いかもしれません。

そういう方のために、ROM版・ディスク版・MSXテープ版を作成するためのバッチを用意しておきました。
一度スタンドアローンのMSX版を作成しておけば、元のテープは必要ありませんし、turboRの高速モードで遊ぶこともできます。

１）バイナリーデータの抽出

P6版OLION（SCREEN4用）から、どうにかして、以下のバイナリーファイルを抽出します。



ファイル名	P6版実行時アドレス
OLION4.BIN	8480H-C47FH(4000Hバイト)


いくつかの方法を以下に挙げてみます。



○方法1 MSX実機でフロッピーディスクにコピーする

MSX実機を使って、OLIONのテープから直接バイナリーデータを抽出し、MSXのフロッピーディスクに保存します。
【必要なもの】FDD付MSX、データレコーダ、P6版OLIONのテープ


1. ダウンロードした MakeOLIONMSX.zip の DIRECT/SAVERフォルダにある p6saver_olion_1200.wav または p6saver_olion_2400.wav をPCで再生し、MSX実機で cload してください。（同フォルダにあるBASICプログラム（P6OLSV.BAS）を自力で入力しても構いません）
2. run した後は、画面の指示に従ってください。OLION のテープをロードした後、フロッピーディスクに OLION4.BIN というファイルを作成することができます。



○方法2 PC-6001実機でフロッピーディスクやSDカードにコピーする

PC-6001実機を使って、OLIONのテープからロードしたデータを、フロッピーディスクやSDカード（要SDカードアダプタ）に保存します。
【必要なもの】FDDまたはSDカードアダプタ付PC-6001シリーズ、データレコーダ、P6版OLIONのテープ


1. フロッピーディスクやSDカードを接続した状態で P6実機を起動し、MODE 4・FILES 0・PAGE 2 を選択してください。
2. 市販のOLIONを通常通りテープから cload してください。
3. 読み込みが終わったら、保存用のフロッピーディスクやSDカードを挿入した状態で 以下のように入力してください。
   

   BSAVE "OLION4.BIN",&H8480,&H4000

4. あとはPCでこのファイルを抽出して、方法4を参考に余計なヘッダ部分を削除してください。





○方法3 P6エミュレータを使ってバイナリーを抽出する

P6版OLIONのテープイメージファイルがあれば、P6シリーズのエミュレーターを使って、必要なファイルを簡単に抽出することができます。
【必要なもの】P6版OLION(SCREEN4用)のテープイメージファイル、PC6001VW等のエミュレータ

ここでは、エミュレーターPC6001VWを使う場合で説明します。


1. PC6001VWにテープイメージをセットしてOLION(SCREEN4用)を CLOAD し、[ALT]+[F6]を押してモニタモードに入ります。
2. getbin OLION4.BIN 0x8480 0xc47f を実行します。
3. PC6001VWの開発用フォルダ（デフォルトでは PC6001VW\dev）にバイナリーファイルが保存されているはずです。



○方法4 テープイメージから直接バイナリーを抽出する

P6版OLIONのテープイメージファイルだけしかない場合でも、バイナリーエディタ等で直接必要な部分を抽出することができます。
【必要なもの】P6版OLION(SCREEN4用)のテープイメージファイル

必要なデータは以下の箇所になるので、これを参考に、イメージファイルから手作業で切り出し、OLION4.BIN というファイル名で保存してください。



OLION4.BIN 0000: 21 00 85 11 08 00 35 19 7C FE C4 38 F9 ED 5F 07 0010: 32 42 C3 3A 28 FA E6 3F 32 43 C3 C3 00 85 FF FF 0020: FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF 0030: FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF 0040: FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF 0050: FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF 0060: FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF 0070: FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF FF 0080: CE D7 85 CD 44 87 CD 0F 86 CD C3 87 C3 00 85 CD 0090: 4E 98 CD 8B 8A CD 97 A5 CE F3 A5 CD E4 86 CD 99 0000: ： 0000: ： 3F40: 00 FF FF FF FF FF FF FF 00 FF FF FF FF FF FF FF 3F50: 00 FF FF FF FF FF FF FF 00 FF FF FF FF FF FF FF 3F60: 00 FF FF FF FF FF FF FF 00 FF FF FF FF FF FF FF 3F70: 00 FF FF FF FF FF FF FF 00 FF FF FF FF FF FF 00 3F80: 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 00 3F90: 00 00 ... この後にダミーデータを追加して、 合計サイズを 4000H（16384）バイトにしてください




２）コンバート

1. 解凍したファイルの中の srcフォルダに、上で準備した OLION4.BINをコピーしてください。
2. バッチファイル MakeOLIONMSX.bat を実行してください。
   



３）出力ファイル

バッチファイルを実行すると、outフォルダ以下に、以下のMSX用のデータが出力されます。

romフォルダ
• MSXで実行可能なROMデータが出力されます。
• OLION4.ROM が、MSX用のROMイメージです。FlashROMに焼いたり、エミュレーターで動作させることができます。マッパーなしの24KBあるいは32KBROMにしてください。
  （MegaFlashROMの場合 opfxsd OLION4.ROM /m8 で 24KBROMとして焼くことができます）
  

diskフォルダ
• フロッピーディスク環境で実行可能なファイルが出力されます。
• ここにある OLION4.BIN をフロッピーディスクにコピーして、MSX実機にセットしてください。
• DISK-BASIC から、bload"OLION4.BIN",r で起動します。

tapeフォルダ
• MSX用のテープイメージが出力されます。
• 実機で動かすには、OLION4.CAS を cas2tools等で音声に変換してください。
• BASIC から、bload"cas:",r で起動します。

■最後に

P6版は、SCREEN4のいわゆる「にじみカラー」（白と黒のドットを交互に打つことで色がついているように見せる方法）を利用していたので、そのままMSXに移植しようとするとモノクロになってしまい、どうしても雰囲気が出ませんでした。


逆に、タイニーゼビウスのMSX移植で使った方式で色まで再現しようとすると、今度は文字までつぶれてしまい、ゲームとしてとても遊びづらくなってしまいました。


そこで、MSX版では、文字表示とオブジェクト表示では別のプログラムに飛ばすことによって、「文字はモノクロ、オブジェクトはカラー」で表示するようにしました。そういう意味では、P6版よりパワーアップしています。



音楽演奏については、P6版はPLAY文のBIOSを使用しているのですが、MSXでは使えないため、オープニングBGMのためだけにサウンドドライバを搭載しています。地味にこれが面倒だったり…。

また、turboRの高速モードに対応しましたが、速くなりすぎて操作がしづらく、ゲームバランス的には良くないと思います(^_^;)

例のごとく、最低限の動作確認しかしていないので、ぜひ、動いたら twitter等で @tiny_yarou まで教えていただければと思います。